ドラマ「若者たち」を観たことがありますか?
「若者たち2014」ではありません、1966年のテレビドラマ、そして映画の「若者たち」のことです。
「若者たち」は「若者たち2014」の原点ともいえます。
とうとう”最終回”となってしまいましたが、この「若者たち2014」は単なるドラマとしての”範疇を超えた”今を生きる私たちへの、時代を超えたメッセージが込められています。
それは、製作者がどのような意図や思いで、このドラマを制作したかを知ることで理解できるのではないでしょうか。
チーフディレクター杉田成道が語る
「若者たち2014」への思い
「若者たち2014」は、1966年に放送された「若者たち」をベースにした作品ということです。
チーフディレクターの杉田成道氏は、当時それを食い入るように見ていたと云います。
これが発案となり企画がスタートししたのだそうです。
「北の国から」シリーズなどのディレクターとして知られる杉田ですが、
久々に手がける「若者たち2014」にどんな思いが込められているのでしょうか?
その思いが込められたコメントを引用します。
ある日、理髪店にいたときにふと、「(フジテレビの)55周年記念番組に『若者たち』をやったらどうだろう?」と思ったんです。
1966年に放送された「若者たち」を、当時学生だった僕は寮のテレビで毎週のように見ていました。人が懸命に生きるとはどういうことか、なぜ生きなければならないのかといったことを、5人兄弟が激しく言い争いながら速射砲のようにセリフが繰り出されるドラマで、「おまえはどうやって生きてるんだ?」と問いかけられているような気がして、テレビに釘付けになっていました。
それから50年近くが経ち時代は変わりましたが、浮ついたところから地道なところへと移っている風土は当時に通じるものがあるんじゃないだろうか、と感じています。
若い人の就職難をはじめとした厳しい状況、国民全部が持っているだろう非常に先行きが不安な感じ、また、幸せの質も変化してきて、お金だけじゃないものを求めている状況も、当時に似ているとは言わないけれど通じるものがあるんじゃないだろうか、と。
そういった時代を背景に、視聴者に強い印象を与えたドラマといえるのが「若者たち」であり「北の国から」であり、それこそがフジテレビの財産だろうし、だから、今やる意味があるんじゃないか、と思ったんです。
オリジナルの「若者たち」を踏襲しているのは、5人兄弟の物語であること、最初から最後までひたすらしゃべっている会話劇であるということでしょうか。
毎回、結婚、夢、お金、幸せ、生命といったテーマがあるなかで、根底にはいつも家族、兄弟がいます。兄弟はいくらケンカをしても翌朝には仲直りができるし、親には言えないことも言える関係性がある。
だからこそ、相手の傷をえぐるような本質的な言葉を言い合うことがあるわけです。
実際、そういう言葉が飛び交うのがこのドラマです。
俳優さんを集めるときにも「これは志のドラマだから協力してほしい」とオファーをし、賛同した俳優さんが集まってくれました。
「単なる人気者ではなくて、こういうドラマにはまるお芝居のタッチのある人を」と願っていたら、妻夫木(聡)くんをはじめとしたいい俳優さんが集まってくれました。
みなさんそれぞれの存在感がすごく強くて、演出していてもとても魅力を感じます。十分見応えのあるドラマになっていると思います。
そういった出演者が演じる人物たちは、ある現実にぶつかっても枷(かせ)があったりして突破することができずにいます。
そのもどかしさをそれぞれが持っていて、どうやって殻を破っていくのか自問していきます。
今を生きる若い人たちも、状況は違っても同じような枷を持っているはずでしょうから、特に若い人にこのドラマを見て欲しいと思っています。
人生がバトンリレーのようなものならば、僕らは先輩たちから受け継いだバトンを次の世代に受け渡す使命があると思い、今回新たな「若者たち2014」を考えてみました。 次の世代に”希望”を抱いてもらいたいと切に願って・・・。
チーフディレクター:杉田 成道(すぎた しげみち) ※「すぎた せいどう」とも呼ばれる。
プロフィール と経歴はWikipedeiaで調べて下さい。
御年71歳、「若者たち」を23歳の時期に観ているのですね。
わたしは「団塊の世代」ほんの2~3年後の世代ですが、
まだ戦後のバラック(廃材を使った住居)の建物も町のあちこちに見られ、
決して豊かとはいえない時代に生まれ育ちました。
”貧乏”が、当たり前だった時代です。
近所の中学生を頂点とした町内の子供たちのグループに属し、
小学校から帰るとすぐにその群れに合流、
真っ暗になるまで、真っ黒に汚れるまで遊びました。
また、夕飯には隣の家に上がり込んで、
マイ茶碗とマイ箸で
悪びれることも無くご飯のお替りをしていました。
銭湯が休みの日には、
やはり内風呂のある家に上がり込み、風呂を頂戴するという、
まさに町内が家族の様な、そんな昭和の時代を下町で過ごしたのです。
だからでしょうか、
家族に対する考えも、思いも、
いまの時代の空気感とは違うので、
「若者たち2014」の佐藤家の旭をはじめとする一体感に共感し、
憧憬すら覚えてしまうのです。
きっと今時の若者たちは”違和感”を感じるのでしょう。
確かに、濃密な関係はエネルギーを必要とします。
時として、ストレスも感じるでしょう。
でも「理屈じゃねぇんだよ!」
これが本当のあるべき家族の姿だとわたしは思います。
異論はあるでしょう。
しかし、すくなくともこのドラマをキッカケに、
もう一度家族というものについて考えてみても良いのではないでしょうか?
いかがでしょう?
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